どこまで進む?民事裁判のIT化

【外国から遅れる民事裁判のIT化】
 日本でもやっと民事裁判手続のIT化の準備が諸外国から大きく遅れながらも急速に進みつつあるようだ。

 IT化では次の3点が考えられる。夫々がどこまで、いつまでに実現できるかで、多くが実現されれば日本の民事裁判は大きく変わる。
①e提出=訴状・答弁書・準備書面等の裁判書類及び証拠の電子情報でのオンライン提出。
②e法廷=口頭弁論期日などの裁判手続を裁判所への出頭に代えてテレビ会議・ウェブ会議で実施する。
③e事件管理=裁判所が管理する事件記録等について、訴訟当事者等が電子情報にオンラインでアクセスできる。

【一部でウェブ会議が実現中】
 現在、昨年12月から各地裁本庁で実施されているのが民事裁判の争点整理手続をウェブ会議で実施するというもの。来年2022年2~7月に各地裁支部でも実施される。

 これまでは原告・訴訟代理人は、裁判所に出頭して裁判手続をする必要があったが、事務所などから争点整理手続に参加することができる。係属裁判所が事務所から遠方にある時はとても効率的だ。

 更に裁判所は、現在は持参やFAXで提出している準備書面や書証(写し)を電子ファイルで提出可能の運用を来年2月から一部地裁で開始し、その後順次拡大するという。「民事裁判書類電子提出システム」

 更に来年には民訴法を改正して、ウェブ会議で和解期日や口頭弁論を実施できるようにしようとしている。2025年にはオンラインによる訴えの提起等の申立や裁判記録の電子化等の運用も始める予定。

【本人訴訟のサポートを】
 日本の民事訴訟ではまだまだ弁護士を依頼せず本人訴訟の比率が高い。ITに不慣れな国民の裁判を受ける権利への障害とならないようにそのサポート態勢が必須となる。

 更に個人情報の保護のため、セキュリティを確保する方策も必要である。情報漏洩やファイバー攻撃が毎日紙面を賑わしている。

 刑事裁判にもIT化の導入の検討が進んでいると聞く。公開法廷での裁判を受ける権利との兼ね合いもあり、密室裁判の危険も含むなか、慎重に検討を進める必要がある。

 民事裁判では、書面の交換のみで短時間での期日が多い。IT化は訴訟代理人や裁判所の時間・経費の効率化には大変大きいし、弁護費用の低減化にも役立つに違いない。外国に追いつけ、今後日本の裁判のIT化に注視する必要がある。

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