ある日突然「被告」に、の話
【突然の特別送達】
古来稀なり、の古希を過ぎた私で、結構長く生きてきたことになる。そんな私でも、ある日突然民事裁判の「被告」になったことがある。
40年以上前のこと。詳しい記憶は薄れたが、ある日唐突に北海道にある地方裁判所から、裁判所の封筒で特別送達で「訴状」が届いた。人生で初めて“被告”になったわけである。よくある詐欺での裁判所の名を語った脅しではなかった。
何だろうと送られてきた訴状を見ると、北海道にある不動産を巡る件で原告から訴えられたようだ。本来の訴訟相手は私の祖父だが、既に60年前に死去している。
その祖父の名義の小さな畑が北海道にあり、その所有権を争う訴えだったと記憶している。父も50年前に亡くなっているためその子の私に訴状が届いたわけだ。祖父が亡くなって相当経過していて、多分今回の裁判の被告は姉妹、いとこ達で10人以上になったのではないだろうか。
【聞いたこともない土地で】
祖父が亡くなったのは私が小学生の時で、父が亡くなったのは大学生の時。祖父からも父からもそんな土地のことを聞いたこともなかった。きっとどの被告も私と同じ思いだったろう。
応訴して答弁書を書き、北海道の裁判所に何度も行くにも、北海道の弁護士に代理人を依頼するにもかなりの費用はかかるのは必至。そもそもそんな土地を見たこともなく、時価相場と言ったって小さな畑で値段は無いに等しいと思われる。
原告の代理人弁護士から、予め問い合わせを受けていればそれなりの対応も考えられたのだが、いきなりの訴状送達である。
当時、一緒に仕事をしていた30位の女性弁護士がいたので、訴状を見せて相談してみた。何のことやら全く分からないと。すると訴状を読んでその弁護士は、「訴訟経済上からも争うつもりもないのであれば、放っといたら?欠席裁判で敗訴で終わり、費用請求もないのではないか」という意見だった。
そこで、そんなものかと姉妹にはその趣旨を連絡して、裁判を放っておくことにした。親戚から1度母に電話があったと記憶している。
暫くして裁判所から判決書が届いた。当然敗訴で、原告の所有権を認めるというものだったが、その理由の中に「被告達からは何の連絡もなく」と詰られた文面があり、そこだけは今でも気になっている文面だった。せめて、裁判所の担当書記官に、何のことか祖父が死亡していて分からない、争うつもりもない」位は電話しておけばよかった、という思い出である。
古来稀なり、の古希を過ぎた私で、結構長く生きてきたことになる。そんな私でも、ある日突然民事裁判の「被告」になったことがある。
40年以上前のこと。詳しい記憶は薄れたが、ある日唐突に北海道にある地方裁判所から、裁判所の封筒で特別送達で「訴状」が届いた。人生で初めて“被告”になったわけである。よくある詐欺での裁判所の名を語った脅しではなかった。
何だろうと送られてきた訴状を見ると、北海道にある不動産を巡る件で原告から訴えられたようだ。本来の訴訟相手は私の祖父だが、既に60年前に死去している。
その祖父の名義の小さな畑が北海道にあり、その所有権を争う訴えだったと記憶している。父も50年前に亡くなっているためその子の私に訴状が届いたわけだ。祖父が亡くなって相当経過していて、多分今回の裁判の被告は姉妹、いとこ達で10人以上になったのではないだろうか。
【聞いたこともない土地で】
祖父が亡くなったのは私が小学生の時で、父が亡くなったのは大学生の時。祖父からも父からもそんな土地のことを聞いたこともなかった。きっとどの被告も私と同じ思いだったろう。
応訴して答弁書を書き、北海道の裁判所に何度も行くにも、北海道の弁護士に代理人を依頼するにもかなりの費用はかかるのは必至。そもそもそんな土地を見たこともなく、時価相場と言ったって小さな畑で値段は無いに等しいと思われる。
原告の代理人弁護士から、予め問い合わせを受けていればそれなりの対応も考えられたのだが、いきなりの訴状送達である。
当時、一緒に仕事をしていた30位の女性弁護士がいたので、訴状を見せて相談してみた。何のことやら全く分からないと。すると訴状を読んでその弁護士は、「訴訟経済上からも争うつもりもないのであれば、放っといたら?欠席裁判で敗訴で終わり、費用請求もないのではないか」という意見だった。
そこで、そんなものかと姉妹にはその趣旨を連絡して、裁判を放っておくことにした。親戚から1度母に電話があったと記憶している。
暫くして裁判所から判決書が届いた。当然敗訴で、原告の所有権を認めるというものだったが、その理由の中に「被告達からは何の連絡もなく」と詰られた文面があり、そこだけは今でも気になっている文面だった。せめて、裁判所の担当書記官に、何のことか祖父が死亡していて分からない、争うつもりもない」位は電話しておけばよかった、という思い出である。