新段階に入った新型肺炎ー日本での市中感染拡大

【日本国内で初の死者】
 新型肺炎の感染拡大は止まるところを知らず、今日の発表によると、中国国内では感染者63851人、死者1380人に達したという。SARSの感染者8096人、死者774人よりは遥かに多い感染ウイルスである。感染力もこれより強い。

 日本では、昨日神奈川県の80代女性が日本で初めて死亡。東京都に住む70代の義息子のタクシー運転手に感染が確認され、この男性が参加した新年会の屋形船の乗員と組合タクシー運転手2人も感染確認。和歌山県の外科医の感染が確認され、その病院の患者も感染確認、同僚医師も感染が疑られているという。千葉県の20代会社員の感染も発表された。いずれも湖北省や中国の渡航歴もない。

 今回の事例はこれまでの武漢や湖北省の関連感染ではなく、どうやら市中での一般的な感染のようで、国内にウイルスが入り込み、広く市内で感染が進んでいることが窺われる。「水際対策」から離れてステージが変わり、新たな地平の3次感染・4次感染感染の流行が始まったと思われる。

【日本の対策の遅れ】
 日本政府の対策の腰は重く、世界からは日本の対策の遅れが心配されているという。WHOの進藤シニアアドバイザーは今日、「中国では新たな感染者が減りつつあり、今一番世界中が心配しているのが日本だ。ここで頑張って食い止めて欲しい」と日本環境感染学会の緊急セミナーで述べたという。

 アメリカやロシアほか主要国は、中国からの渡航者の入国を禁止しているのに、日本では未だ湖北省に限定し、やっと浙江省が追加された。

 中国政府は春節入り後の1月27日に「団体旅行者の海外渡航禁止」を始めたが、個人旅行の制限はなし。中国の日本向けは、個人旅行が2/3を占め、団体旅行の比率は少ないという。

 日本国内の景気とインバウンド増にこだわり、いまだ中国からの旅行者を受け続け、春節前から多くの旅行者が入国してしまった。そのため春節明けから国内では確実に新型肺炎の感染者が多数出るだろうと1月下旬から指摘・心配されていたが、やはり国内でも流行が始まってしまった。

 タクシー運転者と病院医師がキーワードになっている。日本の空港を出れば、タクシーやバス・電車で市内に向かうのは当たり前のことで、具合が悪くなれば病院に行く。これから市民は、タクシーに乗るのを敬遠し、病院に行くのも躊躇するようになるのだろう。

【PCR検査】
 これまで新型肺炎感染の有無を調べるPCR検査は、政府方針で「湖北省がらみ」に拘ってきた。そのため現場の医師が感染を疑い検査を求めても、保健所などは湖北省が絡まなければ検査に応じようとしなかった。

 今週になりやっとこの制限が一部緩和されたので、現場医師からの求めに応じこれから検査が進み感染者が多数報告されるだろう。横浜の死亡女性も、早くPCR検査を行っていれば死なずに済んだのではないかと言われている。

 一昨日の「新型コロナウイルス感染症対策本部」で首相は、PCR検査について「1日最大300件程度の検査能力を18日までに1000件程度超まで増やせる」見通しを示した。 

 これに対し、昨日放送のテレビ朝日「羽鳥モーニングショー・そもそも総研」では、医療ガバナンス研究所理事長上昌広医師ヘの取材を踏まえて注目すべき内容を報じていた。

 「日本の民間会社でもPCR検査は試薬があれば簡単にできる」
 「検査を民間会社に委託すれば、1日1万件の検査が可能」
 「タカラバイオは、大連市からの緊急要請で、試薬を大量増産し、1週間で25万人分を作った。ロッシュは、無償で武漢にPCR試薬を提供した」
 「日本国内でも政府・自治体・民間企業から要請があれば供給は可能(タカラバイオ広報担当者)」
 「民間機関のほうが良い機械もあるので、試薬さえあれば受け入れ可能」
 「PCR試薬を保険適用すべき。厚労省の判断でできること」

 政府は、民間会社のスキルは低いところが多いというが、我々が病院に掛かる時は、普通に外部検査機関で検査してもらっている。検査のミスは会社の命運にかかわることであり、国の機関より高いこそすれスキルが低いとは思えない。

 安倍政権になり、検査の対応に追われる国立感染症研究所は、2009年度に研究費・経費が61億円あったのに、18年度では41億円に減らされ、研究者も減員が続いているという。「国民の生命を守る」という掛け声はどういうことなのだろう。

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