昔と大きく変わった司法試験

【今年は1543人が合格】
 先月、今年の司法試験合格者が法務省から発表された。5967人が受験して、1543人が合格、合格率は25.86%だったとか。

 100名以上の合格者を出した大学院は5校。①慶應義塾 144名(45%) ②東京 134名(49%) ③中央 119名(26%) ④京都 111名(50%) ⑤早稲田 102名(29%)

【半世紀前は合格者500人、合格率2~3%】 
 私が受験生だった半世紀前頃は合格者はおおむね500人、合格率は2~3%だった。1992年で630人(2.9%)、2000年で994人(3.1%)。それが2008年には2209人(9.0%)を数える。

 これまでの受験生のピークは45,372人だったが、とうとう今年は5967人まで減少した。

 2011年に新司法試験に移行して、法科大学院を経るのが大原則となり、試験はすっかり様変わりした。

 ほんの10年前までは、合格者は受験者100人あたり2~3人と最難関の試験だったが、今年では100人あたり26人。受験者も大幅に減り、合格者の質は大丈夫なのかと少々心配にもなる。

【新たな予備試験制度】
 旧司法試験が完全廃止されたのを受けて、2011年から「予備試験」が始まり、制度上の問題を複雑にしている。

 司法試験の受験資格を得るには、原則として法科大学院(2年又は3年)を修了しなければならない。

 しかし、時間や経済上の都合などの理由で法科大学院に通えない人のために2011年から予備試験が始まった。これに合格すると司法試験の受験資格が与えられる。

 年齢や学歴・国籍などの制限はなく、誰でも受験できるが、合格率は3%程度と厳しく、毎年約1.3万人が受験している。

 この予備試験合格者からの司法試験受験者は今年400人いて、合格者は290人、合格率は72.5%と、どの法科大学院よりも高い。全合格者中19%に達する。

 予備試験は、5月に短答式試験、7月に論文式試験、10月に口述式試験が行われ、試験科目は司法試験と多くは重なるが、「一般教養科目(人文科学、社会科学、自然科学)」もあり、科学・物理・数学など常識レベルをはるかに超えるもの。

 この試験が、実は司法試験受験のトップグループに利用されていて、大学3年時に予備試験に合格し、4年時に司法試験に合格するのが超エリートだとか。

 2~3年も大学院に通う時間も費用も省け、最短で実務に着けるし、大手法律事務所では、「予備試験ルートからの合格者を採用したい」という声が通例という。

 予備試験の本来の制度目的は、経済的な事情などで大学や法科大学院に通えない社会人を対象にして、司法試験に導くものだったはずだが、受験資格の抜け道として合格者の主要ルートになりつつある。

 時間とお金があれば法科大学院で司法試験の受験資格を得られるが、その間は無職で収入もないし高い授業料も必要。予備試験では、一般教養が大変難しく国立大生向きなのだとか。司法試験も大きく変わったものである。