診療報酬改定と大病院の都合

【入院より在宅】
 昨日、4月から医療機関に支払われる診療報酬が改定されことが決まった。2年毎に見直しされているもの。

 今回は更なる医療費抑制のために、入院患者の早期退院を促して、在宅での療養を誘導するというもので、かかりつけ医師や薬剤師の報酬は手厚くなるという。

【私の経験】
 2年前の改定では、在宅復帰を促すために、患者の退院先の自宅などの割合を75%以上とするルールなどが追加された。

 大病院が高額の診療報酬を得たいなら、在宅復帰に力を入れて、という厚生労働省からのメッセージなのだろう。

 1年ほど前。母が1月初めから心不全・肺炎等に大学病院に入院。重篤な状況から奇跡的に回復して、2月末には退院の話が出始める。要介護認定を受けると最高の「要介護5」となった。

 母はまだほとんど寝たきりの状況で、このまま自宅に戻ってもとても家族が24時間介護は仕切れないと考え、家族は「介護老人保健施設」へ入所して自宅復帰に向けたリハビリをしてもらおうと考え、老健施設をいくつもあたった。

 ところが病院の主治医・看護スタッフは、自宅へ戻る前提で話しを進めていた。主治医は家族の意向を聞くや、自宅に戻ることを何度も強く求め、恫喝に近い強要をしてきた。家族の介護事情を聞こうともしない。

 「老健なんて、大したリハビリは行わない。私が子だったら、必ず自宅に戻します」と言い張る。それでも方針を変えない家族に腹を立てて、ほとんど面会等の対応をしなくなった。看護師の雰囲気もよそよそしく一変する。

 多分、「在宅復帰率」のことが頭にあっての対応と想像する。移る先の老健が在宅復帰先にカウントされない施設だったのだろう。

 3月末に母は退院して近隣の老健に移ったが、その施設の担当者は、「老健なんて、大したリハビリは行わない」という医者の言葉に、「それでは、国から求められている私たちの存在意義が無くなってしまう」と憤慨していた。

【在宅介護】
 昨日、母が現在入院中の病室の隣の方が、「一旦自宅に帰り、その後他の施設に移る」と話しているのが聞こえてきたが、これも「在宅復帰率」の関連なのだろうか。

 在宅介護を求められても、仕事を持っていたり介護できる人が限られていたりして24時間在宅介護が困難な家庭も多い。「介護離職」を減らすという政府の方針と矛盾する現実がそこにはある。